夏の甲子園・高校野球もいよいよベスト4まで来ましたね。日大三、関西、光星学院、作新学院の4校のうち頂点に立つのはどこのチームでしょうか?
ここ数年、個人的にテレビでじっくりと高校野球を観れていなかったのですが、今回は何試合か観ることができました。で思ったこと。高校野球は相変わらずバントが多い。けど決定率ってそれほど高くないのかなぁ(チームや相手投手によって変わりますが)と。
投手の球種が増えていること、フィールディングが上手な選手も多いということがバントが決まりにくい理由だと思いますが、テレビで観ていて「そこは打たせてもいいんじゃないの?」って場面もあったのも事実。
私自身が理由があって草野球チームでバントを余り使わなくなったので、ちょっとこの件について考察してみようかなと。
数年前「マネーボール」という本が流行りましたね(文庫版が出ています)。
これは精細なデータ分析に基づいて選手をスカウトし、戦術を変え、チーム再建に成功したメジャーリーグ球団、アスレチックスの実話ですが、ここで言うデータ分析手法がセイバーメトリクスです。私自身はこの本に出会ってデータと言うものに興味を持ち、野球観が変わりました。足が遅くても出塁率が高い選手を採ると得点確率が上がる、など実際のエピソードが多分に織り込まれていて興味深いです。
ちなみにこの11月にブラッドピット主演で映画も公開されます。
では具体的に考えてみましょう。ノーアウト1塁から送りバント(犠牲バント)をすると得点確率は上がるのか? 投手は暴投せず、打者がバントを空振りやフライで上げたりせずフェアグラウンドに転がせて、相手の守備もゲッツーは取れないまでもエラーはせずに打者走者をアウトにでき、送られた走者も3塁は狙わない、という前提であれば、、、1死2塁は無死1塁より得点確率はどうなるか? 2004年から2010年までの日本プロ野球(NPB)のデータからは、無死1塁からの得点率41.2%で1死2塁が40.5%と僅かながら下がっていることがわかっています。詳しくはそのデータも掲載されている下記「9回裏無死1塁ではバントをするな」をご覧ください。その他もアウトカウント別やストライクカウント別のデータなどに基づき野球を分析できます。
これが草野球であれば、どこにミスが潜んでいるか、リスク要因の分析が大切になります。打者がバントが巧く、守備に穴がある場合、無死1・2塁もしくは無死1・3塁を狙う場合に選択しても良いかもしれませんが、判断としては本当に難しい。しかしいまの高校野球(特に甲子園レベル)ともなるとレベルが高いだけに、、、バントと決めてかかるのは単純に得点確率を下げているような気がしてなりません(それが高校野球らしさ、と考えている方もいらっしゃるとは思いますが)。
一方で「バントが一番巧くなりやすい」「選手に自信を持たせる」という観点からバントを強化(試合でバントばかりするわけではない)しているチームもあります。実例は「高校野球弱者の心得」でも取り上げられています。高校生をマネジメントをするという意味では一理あるな、と思います。状況判断がしっかりできる監督さんの下であればそのようなチーム作りもありかなと。もちろん、その逆にヒッティング重視のチームも取り上げられていますので多角的に考えられるヒントが得られる本だと思います。
臨機応変に相手に合わせて戦うか、緻密なデータ分析をもとに戦うか、自分たちの置かれている野球のレベルによっても変わりますし、その両方を有効活用できるチームが強いのかもしれません。これは高校野球だろうが、プロ野球だろうが、草野球だろうが、一緒でしょう。一番良くないのは自分たちの型に嵌り過ぎる(頼りすぎる)ことかなと。
私自身が無死1塁でどうサインを出すか、というと、やはり得点確率を頭に入れつつ、次打者の出塁率や長打率(上記に当てはめれば出塁率0.400以上でかつ長打率がさらに高ければヒッティングを選択するでしょうね)や相手投手との相性などを考えて、選択するという感じでしょうか。何となくバントは簡単にアウトをあげてしまうのでイヤなのですが、それにも捉われないほうが結果としては良いのかもしれません。
長くなりましたが、皆さんはどうお考えですか? この話だけで朝まで飲めそうですね(笑)。
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